2018年4月13日金曜日のこと

あさけんが交通事故で亡くなった。20歳だった。

記事を見たときも何も言葉が出なかった。意味が分からなかった。

止まない胸騒ぎと動悸でニュースの映像が怖くて再生できなかった。

一昨日のことなのに、鮮明に覚えている。

人のことに直接干渉することは言いたくないけど、この事実と今の気持ちだけは絶対に忘れたくないから残しておきます。

また読み返す時も同じ気持ちのままでいよう。これを備忘録にはしたくない。

この記事を読んだ時のこと。

Twitterを見ていると何か悪いものがテレビのニュースで流れたらしいと推測できた。「あさけん」という文字もあった。

ネットを調べるとすぐにこの記事に辿り着いた。

『クレーン車と衝突バイク男性死亡』

という見出しだった。

まさかこれじゃないだろう…そう思いながらも手は震えていた。読むのが怖かった。

記事には浅野健人の名前があった。

そんなわけ無い

この前打ち上げでとりてつさんと飲んでいたな

運命は時に残酷だ

ロックンロールとか言って死ぬな

もう何を考えているのかわからなかった。あさけんのあのあどけない笑顔と八重歯と細いタバコと赤いSGが浮かんでは消えていた。

とにかく、意味が分からなかった。

2日経ってもまだ実感が湧いていないというのが正直なところだ。

余りに、急だった。

俺は彼との思い出は多くない方かも知れないけど、俺の中で彼は大きな存在だった。AC/DCを聴こうと思ったのは彼のライブがかっこよかったからだし、彼が楽しそうにギターを弾く姿、スピッツを熱心に語る姿、音楽を愛する姿が好きだった。自分も彼のように好きな音楽を1曲1曲愛したいと思った。

直接彼には話したことは無かった。

いつか言おうと思っていた。

本当に言おうと思っていたのに！

急にいなくなるなよ…

「いつでもうちに転がり込んできていいですよ」って家の前で言ってくれたのにまだ遊びに行ってないよ！

かわいい後輩のこと、忘れられる訳ないよ。

お通夜と葬式に行けなかったのが大きな心残りだけど、まだ顔を見てないから、遺影を見てないから、俺の中のあさけんはいつもの愛くるしい笑顔のままです。

これからも変わらずに笑顔のままで残っています。

彼は俺に大きなものを残してくれた。
俺は彼に何か残せていただろうか。何かしてあげられただろうか。

俺は

あさけんが残してくれたものを大事にして生きていかなくちゃいけない

音楽を楽しむということ

音楽を愛するということ

俺は好きな音楽をずっと続けていこう

彼のためにとか言えはしないけど、一生懸命音楽をやって少しでも彼に恩返しができればいいと思う

それが残された者がやるべき事だ

一生懸命音楽をやろう

好きな音楽を一生懸命愛そう

お互い音楽を愛していればまた出会えるはず

そうやって出会ったんだから何回でも出会えるはず

あさけんのことは音楽がある限り忘れないよ

でも、君に一言だけ伝えたかった

ありがとうね

じゃあ、またね。